2023.05.13

霊山寺(りょうせんじ)観光ガイド

宗派:現在 霊山寺真言宗 総本山(法相宗 → 真言宗 → 高野山真言宗 → 弁財天(神道))神仏習合のお寺(神社)で宗派も何回か変わっています。

山号;登美山鼻高、登美山、鼻高山

本尊;薬師如来

住所・TEL:〒631-0052 奈良県奈良市中町3879・0742-45-0081

歴史;開山(創立者)は東大寺の大仏建立の際に活躍した行基と大仏の開眼を行った菩提僊那とされています。伝承によれば、開山の前に小野妹子の子である小野富人は、壬申の乱(672年)に加担したかどで右大臣の地位を辞し、今の霊山寺境内にあたる登美山に閑居した。熊野本宮大社に出現した薬師如来(熊野速玉大神の本地仏)を感得し登美山に薬師三尊を祀り、病人を癒すために薬草を栽培し薬湯を設けました。こうして富人は登美仙人あるいは鼻高仙人と称されました。728年、聖武天皇の皇女・阿倍内親王(のちの孝謙天皇)は病に苦しんでいた。ある晩、天皇の夢枕に鼻高仙人が現われ、登美山の薬師如来の霊験を説いたので僧・行基を登美山につかわして祈願させたところ、皇女の病が平癒しました。736年に来日したインド僧・菩提僊那(東大寺大仏の開眼供養の導師を務めた)は、登美山の地勢が故郷インドの霊鷲山(りょうじゅせん)に似ていることからこの大堂を霊山寺と名付けました。平安時代、霊山寺に空海がやってきたところ、空海は登美山に龍神を感得し奥之院に龍神を大辯才天女尊として祀った。これ以来、法相宗の寺院であった霊山寺は法相宗と真言宗の2宗兼学の寺院となっています。兵火に遭わなかったため、建物、仏像などに古いものが残っています。鎌倉時代には僧坊は21ケ寺を数えるほどであったが、近世には江戸幕府の朱印寺として一定の規模を維持していた。しかし、明治時代の廃仏毀釈以後は衰退してしまう。宗派は中世には興福寺の末寺であり、のち高野山真言宗に属したが、1951年(昭和26年)に独立して霊山寺真言宗を称している。昭和期以降は本尊薬師如来とともに、奥之院(主要伽藍の西方約1キロの山中にある)の辯才天が信仰の中心となっており、1935年に奥之院の辯才天を勧請して大辯才天女尊を祀る大辯才天堂を建立したのをはじめとして、円照尼が「辯才天のお告げ」によって造ったとされる多くの堂や施設が山内に建てられている。入り口が寺門ではなく鳥居なのはそのためである。

 

矢田寺 鳥居

通常お寺の入り口は、仁王門になっていますが、霊山寺は鳥居が入り口となっています。これは役行者が弁財天をお祭りし神仏習合のお寺となったからです。明治時代のの廃仏毀釈によって矢田寺の多くの寺宝は失われました。

バラ園

鳥居をくぐって直ぐ右手になります。200種類2000本の規模のバラ園。5月終〜6月初め、10月中旬〜11月初めに見頃を迎えます。

バラ園内の喫茶店”プリエール”では、バラティー、バラ珈琲、バラアイスを楽しめます。

本堂

入母屋造、本瓦葺き。棟札により1283年の鎌倉時代和様仏堂の代表作である。堂内の厨子も堂と同時期の作。厨子内には平安時代の秘仏本尊の薬師三尊像(重要文化財)を安置する。厨子の左右には二天(持国天・多聞天)像と十二神将像(各重文)、外陣には大日如来坐像(重文)と阿弥陀如来坐像(重文)菩提僊那座像、地蔵菩薩を安置する。本尊薬師三尊像と十一面観音菩薩は秘仏で、毎年秋の「秋薔薇と秘仏宝物展」10月23日〜11月13日および1月1日から3日の修正会の際に開扉される。薬師三尊は今まであまり公開されてこなかったので劣化が少なく金色が美しい仏像である。

薬膳カフェ 花美津姫(はなみずき)

薬膳カフェをうたうだけあって、野菜、果物たっぷりの体に優しい食事です。お勧めはバラの形をした固形コラーゲンを入れてたべる”明日香風鍋”鶏肉、野菜、たけのこなどの具材のハーモニーが絶妙です。

八体仏霊場・行基像

最近造られた。各干支の仏像が祀られている。

  • 各干支の守り仏
  • 千手観音菩薩(子年)
  • 虚空蔵菩薩(丑・寅年)
  • 文殊菩薩(卯年)
  • 普賢菩薩(辰・巳年)
  • 勢至菩薩(午年)
  • 大日如来(未・申年)
  • 不動明王(酉年)
  • 阿弥陀如来(戌・亥年)

三重塔

堂内には宝冠をかぶった阿弥陀如来座像とが安置され、尊阿弥陀如来の後壁に五大明王尊像(不動明王・大威徳明王・金剛薬叉明王・軍茶利明王・降三世明王)を、仏後壁の裏面には、涅槃図が描かれています。毎年11月3日一日だけ公開されます。

11月3日は霊山寺にお墓のあり、奈良の大仏の開眼を行った”菩提僊那”(ぼだいせんな)を忍んで納経会が行われます。

行者堂

三重塔のとなりにあります。修験道を始めた”役行者”を祀るお堂です。

奥の院

本堂より西約1km。原始林に囲まれ、涸れることない谷川に面しています。 平安時代、弘法大師が来寺され、登美山に力の強い龍神様がおられると感得され、奥の院に大辯才天女尊として祀られました。 千数百年の間守護神として霊山寺を守護されています。立派な神杉があります。

アクセス

やまべから車で50分。自転車で60分。近鉄富雄駅〜バスで10分。